アジングは使う釣り具の少なさに反して、スタイリッシュで奥深さのある釣りです。
そのとっつきやすさから釣りが初心者の人にもおすすめのアジングですが、アジングに関する正しい知識をつけてから始めないと、1匹も釣果が上がらず諦めてしまう、という悲しい結果になりかねません。
ターゲットとなるアジはいつでも釣れるわけではなく、その特性を理解して戦略的に釣ることでアジングの深みにさらにハマることができるでしょう。
自分だけのアジング理論で良型のアジを釣り上げたときの喜びは、アジングをする人の特権でもあります。
この記事では以下のアジングについての内容を、筆者の実体験をまじえて紹介しています。
- 初心者に必要なアジングの基礎知識
- 初心者におすすめのアジングタックルの紹介
- アジングで最低限必要なアイテム
- 筆者の初心者アジングタックルと釣果を紹介
確実に最初の1匹目を釣り上げてアジングの第1歩を踏み出すためにも、ぜひ最後までご覧ください!
初心者に必要なアジングの基礎知識
1. アジングとは
2. アジの特性
3. アジングタックルの紹介
4. アジング初心者が釣りやすい環境
1. アジングの魅力
アジングは堤防からルアーを投げて巻くだけのシンプルな釣りで、釣り初心者や女性にもおすすめの釣りといえます。
最大の魅力は、自分なりの釣り方でアジを攻略して、釣り上げた新鮮なアジを自分でさばいて食べることです。某有名釣りYouTuberが「刺身はアジが1番うまい!」というほど、自分で釣った新鮮なアジは絶品です。
また、スポットによってアジの特性も異なるので、巻き方やルアーの種類を変えて自分だけのアジング理論を考えたりなど、手軽に釣りのゲーム性を楽しめるところもアジングの魅力ですね。
2. アジの特性
アジは昼行性で、主に日中は沖合を回遊して夜は湾内付近を回遊するといわれていますが、実はポイントごとに傾向があります。また、アジは年中釣れる魚ですが、季節にともなう自然環境の変化でアジのサイズや釣り方も異なります。
アジは肉食性で、主に動物性プランクトンなどの水中を漂う微生物や、ベイトと呼ばれる小魚を捕食します。
状況に合わせて、アジが潜む水深や食いつきのいいルアーの特徴を探っていくことが1匹でも多くのアジを釣り上げるコツです。
3. アジングタックルの紹介
アジング※タックルの内容は以下の通りです。
- アジングロッド(5.2~6.5ft)
- 小型リール(500~2500番)
- ライン(ナイロン、フロロカーボ ン、エステル、PE)
- リーダー(フロロ – 0.8号)
- ジグ単(0.8~1.3g)
- ワーム(お好み)
初心者では聞きなれない専門用語がならびますが、次項の初心者が知っておくべきアジングの専門用語で解説しています。
※タックル・・・竿やリール、仕掛けなどを含めた釣り具の総称。
4. アジングで初心者が釣りやすい環境
前提として、アジは昼間に活動する魚ですがアジングは夜釣りがメインです。というのも、日中の明るいうちは、疑似餌であるルアーは見切られやすいからです。デイアジングといって、日中に釣る場合もありますが、初心者にとっては難易度が高いです。
そこで、初心者にとってアジが最も釣りやすいとされる環境は、堤防に点在している常夜灯付近です。
常夜灯により、照らされた水面付近はアジのエサとなるプランクトンが集まりやすく、そこにアジも寄りつくので、初心者にとっては常夜灯は目印になります。
初心者が知っておくべきアジングの基礎用語15選
初心者の人に向けて「これだけは覚えておきましょう!」という基礎用語を集めました!
1 | アジングロッド | アジング専用 の釣り竿。 |
2 | アジングリール | アジング専用 の小型リール。 |
3 | ドラグ | 糸の調整をする リールの機能。 |
4 | アジングライン | アジング専用 の釣り糸の総称。 |
5 | リーダー | 引きの衝撃を 緩和する釣り糸。 |
6 | ジグ単 | おもりと針が 一体になった 釣り針。 |
7 | アジングワーム | アジングの 疑似餌の総称。 |
8 | ノット | 釣り糸の結び方 の総称。 |
9 | キャスト | 仕掛けを狙った ポイントに 投げること。 |
10 | アタリ | アジが食いついた 反応の呼び方。 |
11 | ~層 (表層、中層) | 水深の層の呼び方。 |
12 | ~潮 (小潮、中潮、大潮) | 潮の動きの 差を表すことば。 |
13 | ~マヅメ (朝マヅメ、夕マヅメ) | 魚の活性が上がる 時間帯の呼び方。 |
14 | 時合 | 魚の活性があがる 時間帯の総称。 |
15 | ランガン | 釣り場を頻繁 に移動する釣り方。 |
初心者におすすめのアジングタックル紹介
1. アジングロッドの長さ
初心者にはアタリの感度を重視した5ft(フィート)台の短めのアジングロッドがおすすめです。
アジングの難しいポイントのひとつとして、アタリのわかりにくさがあります。釣り竿は短いほど竿先の感度が上がり、アタリが取りやすくなります。
筆者もはじめてアジングロッドを買いにいったときは、6ft(フィート)台のものを検討していたのですが、店頭で竿先を壁に当てて感度の差を実感し、5.2ft(フィート)のアジングロッドを購入しました。
あやまって長いロッドを選んでしまい、アタリがまったくわからずにアジングをやめてしまうという事例も多いため、初心者こそ短めのアジングロッドを選びましょう。
2. アジングリールの番手
アジングロッドに続き、アジングリールも感度を重視して小さめの500番のものがおすすめです。
アタリの感度を重視したときに、アジングロッドとアジングリールの重さのバランスを意識する必要があります。短めのロッドを選べば重量も軽くなり、操作性や感度を考えると必然的に小さめのリールを使うことが求められます。
なかでも、500番という規格のリールはとくに小さめのリールですが、筆者は初心者のころから2年経った今でも愛用しており、順調にアジを釣り上げられていますよ。
3. アジングラインの種類
初心者のアジングラインには、釣り具メーカーのDUEL(デュエル)から販売されているPF(ポリエチレンフュージョン)をおすすめします。
アジングラインの種類で主流なものはナイロン、フロロカーボン、エステル、PE(ピーイー)などがありますが、それぞれメリット・デメリットが存在します。
そのなかで、感度が利点のエステルと強度が利点のPEのいいとこ取りをしたのがPFです。
PFはPEと素材が同じのポリエチレンですが、PE特有のライントラブルもほとんどなく、初心者でも扱いやすいアジングラインだといえます。
4. リーダーの素材
アジング初心者のリーダーは、癖がなくて扱いやすいフロロカーボンがおすすめです。
リーダーはナイロンまたはフロロカーボンの2種類があり、ナイロンのほうが水深ごとにアジがいる層を探りやすい点がありますが、初心者のアジングにおいてはほとんど差は生まれないといえます。
また、フロロカーボンの場合は強度と感度の面でナイロンよりも優れているともいわれています。
5. ジグ単のグラム数
ジグ単はそのグラム数ごとに販売されていますが、使用頻度が高いグラム数は0.8〜1.3gです。
とくに、0.8gがもっとも使用頻度が高くよく釣れるグラム数といえます。0.8gのように軽めのジグ単がよいとされる理由は、アジをジグ単の針にかけやすくするためです。
アジは、獲物を捕食するときに吸い込むように口を大きく伸ばします。このときにジグ単が重すぎると、アジがうまく吸い込めずに針がかかりにくくなってしまいます。
すこし風が強いときに飛距離がほしい場合や潮の流れが強いときには、徐々にグラム数をあげて、重くても1.3gほどのジグ単を使うとよいでしょう。
6. アジングワームワームの色
初心者こそ持っておきたいアジングワームの定番カラーは、クリアカラーです。
最大の理由は、その釣果の安定性です。クリアカラーは色に癖がないことからシーンを選ばないので、筆者は初心者のころからクリアカラーをメインに使っています。
状況によって頻繁にワームカラーを変えることが多いアジングでは、クリアカラーはその汎用性の高さから、アジンガー(アジングをするひと)は必ずといってよいほど持っておきたいカラーですね。
アジング初心者が最低限そろえたいアイテム5選
アジングをするなら、まずは持っておきたい釣りアイテムを5つ紹介します。
1. ライト
2. ラインカッター
3. フィッシュトング
4. 潮汐アプリ
5. バケツ
1. ライト
夜釣りがメインのアジングでは、ライトが必須です。
なぜなら、アジングはライントラブル(糸が絡まること)やルアーチェンジで頻繁にラインを結びなおす場面があり、その細かな作業をする手元を照らすためにライトが必要となるからです。
また、足元が暗い夜のテトラポッドや高低差のある堤防では、安全面でもライトは備えておきたいですね。
おすすめは頭に装着できるタイプのヘッドライトで、両手がフリーの状態で作業ができます。
初心者の間は、釣具屋さんで売られているような高価なものである必要はなく、100円ショップで買えるものでも十分使えます。
2. ラインカッター
アジングをするときはラインを切ったり結んだりを繰り返す場面が多く、その点からラインカッターも必須のアイテムといえます。
仕掛けを組むときはもちろんですが、アジングは頻繁にルアーチェンジを行うので、ジグ単のグラム数やワームカラーを変えるときにはラインカッターが必要です。
おすすめは画像のような爪切りタイプのものです。ストラップ機能とヒモが伸縮するリール機能付きのものをカバンにぶら下げて使うと、ラインを切りたいときにすばやく使えます。
3. フィッシュトング
釣り上げたアジから針を安全に手早くはずすために、フィッシュトングが必要です。
アジを釣り上げてから針をはずそうとすると、アジが暴れてなかなか針が取れず指に針が刺さる危険性もあります。時合(じあい)で針はずしによるタイムロスを避けるためにも、釣ってから針はずしまでの作業はスムーズに行うほうがよいです。
ラインカッターと同様に、画像のようなストラップ機能と伸縮するリール機能付きのものをカバンにぶら下げて使うと、テンポよく作業できるでしょう。
4. 潮汐アプリ
引用元(“「潮汐なび」をApp Storeで”)
地域ごとにその日の潮の動きを細かく確認できる釣り専用のアプリです。
潮の動きに関する情報はアジがよく釣れるタイミングを見極めるヒントとなり、アジングに出かける日程調整の基準にもなります。
確認するポイントは、潮止まり(潮の動きが止まること)で魚の活性が落ち着く干潮の時間帯と魚の活性が上がる中潮の日付です。
また、その日の月の満ち欠けの具合も確認できるので、月明かりも影響するといわれているアジングでは、知りたい情報が1度に得られる非常に便利なアプリといえますね。
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5. バケツ
釣り上げたアジを活かして新鮮な状態で持ち帰るために、釣り用のバケツも用意しておきましょう。
アジを新鮮に持ち帰るには、その場で※締めて保冷剤といっしょにクーラーボックスなどに入れておく必要があります。締める作業自体は簡単ですが、連続でアジが釣れたときにひとまずアジを活かしておく用にバケツを使うと便利です。
大量のアジをまとめて締めてからきれいな状態でアジをならべると、釣果記録用の写真も落ち着いて撮れるでしょう。
※締める…生きた魚を新鮮な内に絶命させて鮮度を保つこと。
初心者だった筆者のアジングタックルと釣果を紹介
最後に、アジングを始めてから2年経った今でも愛用するアジングタックルと、当時のはじめてのアジングの釣果を紹介します。
1. 筆者のアジングタックル紹介
1 | – アジングロッド – 【34 GUIDEPOST LHR-52】・定価:24,200(税込) |
2 | – アジングリール – 【シマノ SoaReBB 500SPG】・定価:20,020円(税込) |
3 | – アジングライン – 【DUEL The ONE アジング 0.3号】・定価:約2,000円(オープン価格) |
4 | – リーダー – 【シマノ ソアレ リーダー EXフロロ 30m】・定価:1,243円(税込) |
5 | – ジグ単 – 【TICT アジスタ!S 0.8~1.3g】・定価:440円(税込) |
6 | – アジングワーム – 【reins アジリンガーシャッド 必殺クリアー】・定価:660円(税込) |
画像引用元 (“GUIDEPOST LHR-52 – アジングライトゲームフィッシング”) (“ソアレ BB”) (“The ONE® アジング 150m”) (“ソアレ リーダー EX フロロ 30m”) (“アジスタ!Azing STANDARD”) (“アジリンガーシャッド”)
2. 初心者だった筆者の初アジングの釣果
はじめてのアジングで、そこそこサイズのアジを5匹釣り上げることができました…!
当日はアジの名所といわれる山口県の周防大島に行ったものの、小潮で潮の動きが悪く厳しい状況でアジが釣れないまま、5ヶ所ほどポイントを回っていました。
潮止まりの21時半を過ぎたころ、あきらめずに湾外の少し沖の中層を狙っていると、かすかなアタリがあり、苦労の末に26.5cmのアジが釣れたのです。うれしさのあまり、手がふるえていたのを今でも覚えています。
情報が命といわれるアジングですが、それと同じくらい重要なポイントは現場でアジが釣れそうな戦略を考えつづけることです。熟練度とともに、自分だけのアジング理論をつくっていく面白みもあるのがアジングの魅力のひとつですね。